室内を飛び出し「おでかけ絵本講座」を開催しました。(2024/10/29)

向かったのは、絵本の製本工場・清美堂。

主に福音館書店の絵本を手がけている東京都板橋にある製本会社です。

製本の現場をじっくり案内してもらい、この目で見てわかったのは大きく2つです。

1つは、製本の過程は大変細かい工程を経ていること。

2つめは、職人技がなければ、いい本はできないこと。

製本について

ここで製本会社さんについて、少し説明します。

製本とは、辞書によると

「印刷した紙や、原稿・白紙などをとじあわせて表紙をつけ、書物の形に作ること。」(Oxford Languages)です。

印刷されたペラペラした紙を綴じて、表紙をつけて本の形にするってことです。

印刷と製本どちらも行う会社もありますし、印刷会社で印刷された紙が、製本会社にわたって本にするケースもあります。

回は、製本だけを担当する「製本会社」に伺ったわけです。

人の技がなければ

今にも降り出しそうな天候の中、総勢9名でお邪魔しました。

屋内に入ると、いきなり機械音が響いてきて、「ああ本物の工場だな」とまず音で実感しました。

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こう書くと、機械メインの工場をイメージしますが実際は、真逆でした。「機械にセットしたら、すべてオートメーションで、それを管理すればいい」なんて甘い世界ではありませんでした。

とにかく、人の手が大活躍していて、それらはみな「技」のレベル。

職人技が光る世界。

無駄のない手さばきや、本づくりを見守る鋭い目。

そして意外だったのは、若いスタッフさんが多く活躍していたことでした。

例えば、一瞬にしてはじかれた束の何がいけないのかを聞いてみたら、「ここの糸が」と、目を凝らしてみないとわからない不具合を瞬時に見分けていました。


みなさん、めっちゃカッコいい!

社長さん自ら、インカムつけて製本の過程を丁寧に解説してくれました。

 

上製本は、ここまで細かく丁寧に作られるのかと、頭でわかったつもりでいた自分がとても恥ずかしくなりました。



何度かえほんごと舎で開催した「製本を知ろう」講座を受けた上で参加した方もいて、「ああ、これがあれね!」と納得しつつ見学していました。


製本の工程順に説明を聞きましたが、話を聞けば聞くほど、清美堂さん、細部に徹底したお仕事をしています。

ここまで、こだわるんだ。

ここまで、丁寧に扱うんだ。

そして、どうしたらコストをかけずに、かつ丁寧に作るのかという相反する命題にもチャレンジしています。その様子も隠さずそのまま説明してくれました。


本づくりに関わるひとりとして、全てに対して頭が下がります。


まっすぐ働くその先にある「絵本」

参加者さんの感想
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製本の過程に、あれだけ人の手が入っていて、

職人と言える人たちがまっすぐ働いていることがわかりました。

彼らがいなければ本ができないことがよくわかりました。



製本が機械だけではできず

職人さん達の技術に支えられていることを初めて知りました。

紙というデリケートなものを扱いながら

常に創意工夫し、緻密な作業や丁寧な検本など、

美しい絵本が出来上がるまでに、

たくさんの心が込められていることに感動しました。

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仕事中にお邪魔したのにも関わらず、社員全員嫌な顔一つせず

むしろ「なんでも聞いてください」と

おっしゃってくれました。

製本云々ではなく、「会社の在り方」としても

とても学びの深い見学になりました。

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どんなものでも作られる過程を知ると、もっと愛着が生まれます。

わたしを含め全員が、製本を知ることで絵本がより近しいものになりました。

本好き、絵本好き、読書好きは、ぜひ製本を知って欲しい。ほんとうにそう思います。


製本を知れば、本を見る眼が必ず変わります。